ケーススタディ
安全を第一に:

医療従事者のためのハイブリッド・イベント開催

米国股関節・膝関節外科学会議(AAHKS)が第30回年次会議をハイブリッド・イベントとして開催することに決めた理由や、会議の実施方法、そこで得た貴重な教訓を考察するケーススタディです。

事例

股と膝の手術を専門とする外科医は、米国股関節・膝関節外科学会議(AAHKS)の年次会議で、新しい研究結果や最新の手術方法、医療機器メーカーの商品などの最新情報を入手しています。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、2020年11月に予定されていた年次会議は中止となりました。AAHKSの会員は、バーチャルではなく通常のイベント開催を求めていたものの、AAHKSは参加者の健康と安全を心配しました。そして、第30回年次会議は、テキサス州ダラスのヒルトン・アナトール・ホテルでハイブリッド・イベントとして開催することに決めました。

成功した点

それまで5年にわたってヒルトン・アナトールで会議を開催してきたAAHKSは、ヒルトンの定評あるイベント開催衛生基準(ヒルトン・クリーンステイ衛生基準導入「EventReady」)なら、参加者の健康と安全を最優先すべきイベントで素晴らしいハイブリッドプログラムを提供するはずという確信がありました。 

ダラスでの来場参加者を含めたハイブリッド・ミーティングへの移行を決めるにあたっては、イベント会場の総合的な評価に加えて、ダラスの疾病対策センター(CDC)による要請とガイドラインおよび感染症専門コンサルタントによるガイダンスと判断を参加者が遵守できることが決め手となりました。 

今回のプランは、CDCが医療機関に対して推奨する内容と同じ原則、つまり感染源コントロール(ソーシャルディスタンス、マスク)と症状モニタリング(体温チェック、症状チェックリスト)を採用しました。そして、すべての参加者、出展者、スタッフが関与できるよう、AAHKS、Freeman(イベント請負業者)、ヒルトン・アナトールが共同で計画を立てました。年次会議のウェブサイトには、健康安全対策のページにリンクした「健康と安全」タブも用意されました。また、健康と安全の情報に加えて、イベント開催中の技術トラブルをサポートするオンラインヘルプフォームなど、バーチャル参加者のためのリソースもウェブサイトに掲載されました。

結果

AAHKSの年次会議は、「ニューノーマル」をいち早く取り入れるための理想的な環境でした。参加者(外科医)は感染予防の原則に精通し、日々の病院での勤務の中で同様の予防措置に従っています。

イベントには、3ヵ国37州から約400名が来場し、約1,000名のバーチャル参加者が自宅やオフィスから参加しました。

AAHKSのプランニングチームはイベント後にアンケートを行い、バーチャル参加者と来場参加者から実例を挙げたフィードバックや全体的な感想を収集しました。このアンケートで取り上げた主なトピックには、来場参加者の健康安全対策についての感想や、参加形式(バーチャルまたは来場)を選んだ理由などがあります。
アンケートの概要は下のとおりです。

99%

健康安全対策が効果的に行われていた

来場参加者

96%

来場参加を選んで満足している

96%

バーチャル参加を選んで満足している

ただし、来場参加の方が好きというコメント多数

「来場参加を選んだ理由は?」という質問への回答で圧倒的に多かったのは、会場の方が学べることが多いからというものでした。